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2010年05月17日
楽天団公演『ウィンドミル・ベイビー』
お久しぶりです、編集Aです。
先日、『多聴多読マガジン』8月号のなま素材で使う、音声と写真収集に、
高円寺の座・高円寺へ『ウィンドミル・ベイビー』という
演劇のアフタートークを聞きに行きました。
オーストラリアの戯曲作品翻訳・上演している
楽天団の和田喜夫さんのナビゲートで
原作者のデビッド・ミルロイ氏が作品についての思いや
制作の裏話を話されています。
このトークは雑誌で紹介するとして、
今回のBlogではお芝居自体について、少々書かせて頂きます。
実は、大学生の時、劇団の宣伝美術なぞに関わっていたので、
下北のミニシアターやいろいろな大学に講演を、
ちょくちょく見に行っていたのですが、
社会人になってから、少々演劇から足が遠のいていました。
ひさしぶりに、演劇をみて…。興奮しました。
懐かしいという気持もあるのですが、
この作品がありえなくらいすばらしい。注
『ウィンドミル・ベイビー』はひとりのアボリジニの老女が、
かつて住んでいた土地を訪れ、起きた出来事を
語り聞かせる1人芝居。(あらすじは最後に書きました)
人間の欲や業、愛という普遍的な事柄が根幹にあるけれど、
どこか幻想的でおとぎ話のような物語性をもち、
本当に、本当に心にぐっときました。
さて、戯曲の素晴らしさもさることながら、
演じる大方斐紗子さんのほとばしるパワーが圧巻。
動物をふくむ、12の役を演じわけていましたが、
完全に役が変わるのではなく、洗濯女として働く
老女の目に映る、その他の人々を演じています。
メインパートの老女を演じていない時は、
彼女がその人物に対してどういったイメージを持っているのか、
どういった感情で見ているのかという、
役と役の関係性が伝わってき、
同時に老女の人間性や感情の奥行きを
感じさせてくれる演出になっていました。
いやはやしかし、なんといっても大方さんの存在力。
役になりきってあふれてくる感情や表情の豊かさ、
柔らかで自由な身体。本当に見とれていまいました。
オリジナルの作品ではどんな女優さんが演じているのだろう。
再生文化最盛期の時代に、演劇が与える影響は
非常に小さいかもしれないし、生涯演劇にまったく関係なく
死んでいく人のほう圧倒的に多いと思います。
でも、この演劇のはかなさや、人間が体を通して訴える力、
考えさせる力は果てしない。
そんな演劇の持つパワーをもらった1日でした。
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あらすじ
西オーストラリア北部のある牧場にやってくる
アボリジニの老女・メイメイ。
自分が洗濯女としてそこで働いていた過去を振り返る。
メイメイは、牧夫のマルバーンを
料理女のサリーと取り合った末に結婚する。
メイメイが身ごもり、夫は彼女にルビーの指輪を贈って
赤ん坊が女の子であれば
ルビーと名付けることを決める。
しかし冷酷な白人の主人に過酷な労働を強いられ、
最初の子供を早産で亡くしてしまう。
アボリジニの庭師ワンマンは、
自分の手入れする庭にその子供を埋めてくれる。
サリーは身体の不自由なワンマンに好意を寄せていたが、
ワンマンは白人の奥さんを好いている。
酒を飲むと荒れて、妻や使用人に辛くあたる白人の主人は、
子供を欲しがっていないが、やがて奥さんに子が宿る。
そして悲しい出来事が起こり、メイメイも巻き込まれていく…。

注
実際、2003年にパトリック・ホワイト賞をオーストラリアで受賞、
2008年に東京講演をはたし、テアトロ「2008舞台ベストワン」等で
複数の演劇評論家に取り上げられ、再演してほしいという声が殺到。
ついに今年、日本人の名優・大方斐紗子さんを擁し再演されたとのことでした。
いずれ、また再演されるようなので、その際はぜひ!
お芝居に関心がない人も絶対楽しめます。
投稿者 info@cosmopier : 2010年05月17日 16:12
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