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66推理・サスペンスここでは、本格派ミステリのうち、推理小説、探偵小説、ハードボイルド、心理スリラーなどの作品でシリーズもの以外を紹介する。Adam Chase は義母による偽りの証言で殺人罪に問われる。無罪判決....

66推理・サスペンスここでは、本格派ミステリのうち、推理小説、探偵小説、ハードボイルド、心理スリラーなどの作品でシリーズもの以外を紹介する。Adam Chase は義母による偽りの証言で殺人罪に問われる。無罪判決が下された後も疑いの目で見られ、追われるようにして故郷を去ったAdam だったが、幼なじみに懇願されて再び故郷に足を踏み入れる。息子よりも妻を選んだ父を許すつもりはなかったし、当時の恋人とは連絡を絶ったままだったAdam は、用件を済ませて立ち去るつもりでいた。だが、彼を待ち受けていたのは、実の母の自殺の真相、その母の死後に父がつくりあげた家族との葛藤、そしてさらなる殺人事件だった。著者のデビュー作The King of Lies は、ミステリの重要な文学賞であるエドガー賞、バリー賞、アンソニー賞、マッカヴィティ賞すべての処女長編賞候補になった。そして、第2作の本作品とそれに続くThe Last Child が2 年連続でエドガー賞を受賞し、著者はミステリの大家としての地位を確立した。アメリカ南部ノースカロライナで生まれ育った著者の作品はすべてノースカロライナが舞台である。主人公を含め、登場する者すべてに弱みがある。みな、過ちを犯し、嘘をつき、わがままな行動を取り、傷つく。だが、それを許し、受け入れ、癒すことができるのも人間である。抒情詩のような美しい文体と、アメリカの南部の男らしいハードボイルドさがマッチして、特別な雰囲気をかもし出している。ミステリーとしてだけではなく、純文学としても楽しめる。エドガー賞受賞作。デビュー作The King of Lies、エドガー賞受賞作のThe Last Child、男性読者にアピールするツボを押さえた劇的なIron House など、すべておすすめ。もっと読みたい人には……Down RiverJohn Hart・ペーパーバック：464 ページ・出版社：St. Martin’s Griffin・出版年：2011（初版2007）・難易度：★★★★☆・適正年齢：R（成人向け）・キーワード：現代文学『川は静かに流れ』ジョン・ハート（著）、東野さやか（訳）、ハヤカワ文庫