大学生のためのTOEICテスト入門

大学生のためのTOEICテスト入門 page 18/30

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34リスニングが苦手な人の中には、文字を見れば理解できるけれども、音としては聞き取れないという人がいると思います。その理由は、文字を見たときに頭の中で自分がイメージしている音と、実際にネイティブが話して....

34リスニングが苦手な人の中には、文字を見れば理解できるけれども、音としては聞き取れないという人がいると思います。その理由は、文字を見たときに頭の中で自分がイメージしている音と、実際にネイティブが話している音がずれているからです。ですから、うまく聞き取れるようになるためには、そのギャップを埋める必要があります。リスニング力をアップさせるにはリスニングの練習をするのが不可欠ですが、聞き取れないものをいくら聞いていても練習になりません。おそらく、うまく聞き取れないのは、「英語の音のパターン」に慣れていないからでしょう。したがって、日本語の音のシステムに染まっている耳を、英語の音のシステムに合わせてチューニングし直す必要があります。はじめのステップは、英語と日本語の音ではどのような点が違っているかを理屈として知ることです。日本人学習者にとって、リスニングを難しくしている英語の音のポイントがいくつかあります。まず、英語の文では「強く発音されるところ」と「弱く発音されるところ」があり、その強弱でリズムを作っています。当然のことですが、弱く発音される語は聞き取りにくくなるのが常です。一般的に、意味を伝える上で重要な語ははっきり発音されますが、be 動詞や助動詞、前置詞など、文の構造上は必要だけれども、意味を伝える上では重要ではない語は弱く発音されます。英語の音は日本語より強弱の差が大きく、それによって日本語とは違うリズムをもっているということを意識するようにしてください。「音がつながる」というのも大事なポイントです。書き言葉では、語と語の間にスペースがあるので、「ここからここまでが1 語」というのがわかりやすいのですが、音声ではスペースがないので、語の区切りがわかりません。ひとつひとつの単語の意味を知っていても、音のかたまりとして数語がひとかたまりで聞こえてくると理解できないということがよくあります。「英語の音はつながるものなんだ」ということを常に意識しておいてください。また、単独では発音するけれども、文の中だと消えてしまう音もあります。たとえば、I don’tlike it. は「アイ ドン ライキッ」のようになり、don’t やit のt ははっきりとは聞こえなくなります。上記のような日本語と異なる音のパターンが、英語の聞き取りを難しくしています。しかし、パターンを覚えて慣れてしまえば聞き取れるようになるので、心配しないでくださいね。神崎先生のリスニング力アップ アドバイス神崎正哉(かんざき まさや)1967 年神奈川県生まれ。神田外語大学講師。東京水産大学(現東京海洋大学)海洋環境工学科卒。テンプル大学大学院修士課程修了(英語教授法)。TOEIC テスト990 点、TOEIC SWテスト各200 点、英検1 級、国連英検特A 級、ケンブリッジ英検CPE など英語関係の資格多数。主な著書に『新TOEICR TEST 出る順で学ぶボキャブラリー990』(講談社)、『神崎正哉の新TOEICR TESTぜったい英単語』(IBC パブリッシング)、共著に『はじめての新TOEICR TEST 完全総合対策』(IBC パブリッシング)、『新TOEICR TEST 読解特急4 ビジネス文書編』(朝日新聞出版)など多数。TOEIC 学習者のためのブログ「TOEIC Blitz Blog」を運営。小手先のテクニックに頼るのではなく、英語力を伸ばすことでTOEIC のスコアアップにつなげる正攻法の学習指導を行っている。リスニング英語の「強い音」と「弱い音」つながる音/消える音「英語の音のパターン」に慣れる