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10 11 序章 12 のポイントはどこから生まれたか日本人にとって日本語は、母国語です。あるいは近年は、母語と呼ばれることが多くなっています。そして母語以外に、英語、さらにはフランス語、ドイツ語、スペイン語....

10 11 序章 12 のポイントはどこから生まれたか日本人にとって日本語は、母国語です。あるいは近年は、母語と呼ばれることが多くなっています。そして母語以外に、英語、さらにはフランス語、ドイツ語、スペイン語などを学習します。これを外国語学習と一般に呼んでいます。ただ、この母国語や外国語という呼び方ですが、この分野を研究している専門家は、実はあまり使わなくなっています。母国語の代わりに「母語」や「第一言語」、外国語の代わりに、「第二言語」と呼ぶことが多くなりました。なぜ母国語や外国語から「国」を取ったり、「第一言語」「第二言語」と別の言い方に代えたりするのでしょうか。ちょっと考えてみるとわかりますが、母国語や外国語というのは、「ひとつの言語=ひとつの国家」という図式を前提にしています。「その通り、何の問題もない」と思われるかもしれません。しかし、この前提が当てはまる状況は、実際にはあまりないというのが現実です。例えば、日本はよく単一言語国家だと言われます。しかし本当にそうでしょうか。英語、フランス語やスペイン語、またタガログ語などは、私たち日本人からみると、確かに外国のことばです。しかし日本国内にも、日本語以外の朝鮮語(韓国語)や、現在では使う人がかなり減少し、消滅の危機に瀕していますが、アイヌ語、琉球諸語を母語にする人たちもいます。彼らにとって、日本語を覚えることは、2 番目に習得する言語ではあっても、外国語を学習することにはなりません。またスイスでは、ドイツ語、フランス語、イタリア語、さらにはロマンシュ語という4 言語が公用語です。スイス在住のフランス語母語話者がドイツ語を学ぶような場合、2 番目の言語の習得であっても、外国語の学習ではありません。「ひとつの国」=「ひとつの言語」というのは、単一言語国家のみにあてはまる図式で、実はそんな国はあまり多くありません。「母語」「第一言語」「第二言語」以上のような理由から、「母国語」「外国語」という、国家と言語に1 対1 の対応があることが前提になる表現方法は避けて、「母語」「第一言語」、さらに「第二言語」という言い方が一般的になりました。すなわち、生まれて最初に接する言語を「母語(mothertongue)」や、もっと中立的に「第一言語」と表現するようになりました。そして、第一言語の後で、2 番目に接する言語を「第二言語」と呼ぶようになったのです。1)私たち大半の日本人の場合は、第一言語として日本語を習得し、その後中学校から、近年では小学校高学年(5 年生)から、英語の学習を開始し、大学に行くと第二外国語と称して、中国語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、朝鮮語などから選択して、「第三言語」を学習するケースもあります。このような3 番目に学習を開始する言語を何故「第三言語」と呼ばないのでしょうか。これには、次の前提が関係しています。すなわち、子どもの頃に特に意識的に覚えようとすることもなく自然にマスターした第一言語なぜ「母国語」ではなく「母語」なのかはじめに:第二言語・外国語、1.      習得・学習とは?1) もちろん読者のみなさんの中には、2 番目に学習を開始した英語よりも、3 番目に学んだドイツ語のほうが、第二言語としての英語を学習した後なので、ずっとやさしかったと思われるかたもいるかもしれない。しかし、母語(第一言語)を習得したときと比較すれば、一般には第二言語習得、第三言語習得の違いはさほど大きくないと考えられる。第二言語習得?外国語?母語?母国語?習得?学習?