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12 13 序章 12 のポイントはどこから生まれたかと、学校に行ってから「意識して学習する」2 番目や3 番目以降の言語とは、大きくその意味合いが異なりますが、「第二言語」と「第三言語」の差はさほど大きくないと....

12 13 序章 12 のポイントはどこから生まれたかと、学校に行ってから「意識して学習する」2 番目や3 番目以降の言語とは、大きくその意味合いが異なりますが、「第二言語」と「第三言語」の差はさほど大きくないという前提です。したがって、一般に第一言語の後で接する言語すべてを「第二言語」と呼んでいるのです。「習得」と「学習」はどう違うのかもうひとつ重要な区別が、「習得」と「学習」です。「習得」は、英語のacquisition の日本語訳です。これは、「獲得」と訳されることもあります。母語(第一言語)習得(獲得)は、特に意識しなくてもいつの間にか自然に覚えてしまうそんなプロセスです。それに対し、中学校や小学校高学年から学習を開始した英語は、日本にいて学習する限り、自然にマスターできることはありません。一生懸命に、単語、文法規則を覚えて、練習問題等をこなします。これを「学習」と呼んでいます。英語のlearning に対応する日本語訳です。以上のように、「習得・獲得」と、「学習」には大きな開きがあると考えられています。ただ、母語の習得・獲得も、実は後で大人になって思うほど、苦もなく、何の意識もなく、いつの間にか覚えているわけではありません。時に、子どもの頃、「『らりるれろ』の発音がなかなかできず苦労した」、「間違った語の使い方をしていたのを親から指摘されて直した」などといった経験もなかにはあるかと思います。しかし、こういったことはまれで、その大半はいつの間にか忘れ去られ、ほとんど記憶にも残っていません。最近の言語研究では、母語(第一言語)の仕組みを探る研究と同様に、あるいはそれ以上に、第二言語がどのようにして習得されるかという研究が、にわかに脚光を浴びるようになりました。そしてその成果を、みなさんの第二言語の学習に取り込もうとする努力が、日本のみならず、多くの国と地域で行われるようになってきました。これにはどのような状況が背景にあるのでしょうか。第二言語(外国語)の研究の主な目的は、これまで、第二言語としての英語や日本語(いわゆる「国語」ではなく、外国人へ教える日本語)などの学習、教育に応用することでした。すなわち、教室に入る前の教材(教科書等も含む)作成や、実際のクラスルームでの教授法に役立てることでした。実践を意識した、このような目的は、今日でももちろん変わっていません。それはそれで非常に重要な目的です。しかしながら、第二言語の研究は、実はそれだけが目的ではありません。学習者が、第二言語としての英語や日本語などをいかに理解し、産出するかという処理(processing)に関する研究や、そういった第二言語をどのようなプロセスを経て習得(acquisition)していくかという角度から、人間言語を研究するという視点が確立されました。さらに、第二言語習得という、人の「知的な営み」から、そのこころ(脳)の仕組みを探究するという視点も生まれました。これらふたつの視点が明確に意識された結果、第二言語習得研究はここ10 年あまりで長足の進歩を遂げたのです。言い換えれば、人がどのようにして英語・日本語などの第二言語(外国語)を処理し、習得するかという研究が、従来とは比べものにならないほど、大きな展開をみせているのです。この背景には、第二言語習得研究において、既存の関連する領第二言語習得についての研究が2. 脚光をあびるようになった背景は?