多聴多読マガジン 9月号別冊 英語の多読最前線 試読

多聴多読マガジン 9月号別冊 英語の多読最前線 試読 page 21/30

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概要:
43中高編* 必修科目としての英語の時間に訳読・文法解説は行わないが、3 年生の選択科目では受験対策として訳読・文法解説を行う授業もある。図書室で行う多読、CALL 教室で行う多聴の授業1 年生から3 年生で英語授....

43中高編* 必修科目としての英語の時間に訳読・文法解説は行わないが、3 年生の選択科目では受験対策として訳読・文法解説を行う授業もある。図書室で行う多読、CALL 教室で行う多聴の授業1 年生から3 年生で英語授業数は異なるが約半分は多読・多聴の授業だ。多読の授業は図書室で本を読み、多聴の授業はCALL 教室というパソコン設置の教室で本を読みながらその本に付属している朗読音声や絵本が歌になった音声などを聞く。1、2 年生にはALT が英語の絵本の読み聞かせを行う授業があり、4 ~ 8 名程度のグループにわかれて、ALT の先生と対話をしながら本を読み進めていく。ALT の先生の読み聞かせが上手で生徒にはとても人気のある授業だという。うまく多読に慣れてもらうためにはやさしいレベルから少しずつレベルアップしていく感覚が肝心で、1 年生が最初に読む本は「多読スターターセット」として用意されている。個人差はあるがこのセットをひと通り読み終えるまでの平均期間は約2 カ月。これを読み終えると次のレベルの本が収納された本棚から好きな本を選ぶことができる。多聴の授業も同じように、最初にとりかかりやすい本(絵本とリーダー)を読むように指示をして、許可されたレベルの本を自分で選んでいく。2 年生の後半になると、多聴の授業では本以外に英語の音声を聞くことができる映画や海外ドラマのDVD などを選ぶこともできる。興味深いのは多読・多聴以外の授業でも文法や訳読はほとんど行わないことだ*。教科書は使用するが、本文を声に出して読み、その後に内容理解のためのチェック問題などを行う。また、多話(2 分のフリートーク)、多書(2 ~ 3 分のフリーライティング、サマリーなど)なども積極的に取り入れ、教員は基本的に英語で授業をする。ALT とのチームティーチングでは、コミュニケーション活動がメインだ。文法参考書や単語集を使用しないことで、スピーキングやライティングにかける時間が自然と増え、その結果、生徒の英語に対するハードルがとても低くなったという。成績としての評価に多読・多聴の成果(読んだ本の冊数や語数)は含まれず、通常授業での活動と定期考査の点数で評価される。成績に反映されなくても3 年間生徒が多読を続けていることこそ何よりの「成果」だと鈴木先生は言う。多読・多聴以外の授業で行っていること多読スターターセットはORT のStage1 ~ 3 をセットにしたもの。多聴を行うCALL 教室。教室の後ろに絵本の本棚が置いてある。学校情報東京都立校で2 校目となる「ビジネスコミュニケーション科」の進学型専門高等学校。平成21年度設立。東京都立大田桜台高等学校大田桜台高校に多読を導入した鈴木教諭は、2014年4 月都立国分寺高校に異動となり、現在は新しい高校で生徒が多読できる環境を整えようと日々努めている。また、東京都高等学校英語教育研究会研究部部長でもある。研究会の詳細はTooru_1_Suzuki@education.metro.tokyo.jp まで。