多聴多読マガジン 9月号別冊 英語の多読最前線 試読

多聴多読マガジン 9月号別冊 英語の多読最前線 試読 page 28/30

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概要:
118「すべり読み」と「新・多読三原則」「多読三原則」見直しのきっかけは「すべり読み」司会:2013年8月の日本多読学会年会で、多読三原則の変更について話し合いがされました。そのあたりの背景をお話しいただきた....

118「すべり読み」と「新・多読三原則」「多読三原則」見直しのきっかけは「すべり読み」司会:2013年8月の日本多読学会年会で、多読三原則の変更について話し合いがされました。そのあたりの背景をお話しいただきたいのですが。古川:話し合おうというのは私が提案しました。特に中学生に教えている先生方から、いろいろな意見をいただいていたんです。「わからないところを飛ばせ」と言うと、生徒たちがバンバン飛ばしちゃうと。パラパラっと読んで読み終わりましたという生徒が出てきて困るので、なんとかならないのか、と。高瀬:今年、高校で多読をやったという学生が、私が教えている大学の英語の上級クラスに入ってきたんです。読むのはとにかく速いのですが、内容がわかってない。以前にも高校で多読をやっていたという学生がいました。その子は内容をきっちり理解して読めていて、良い教育を受けたなと思っていたんですけれど、今年度の子は問題で、なかなか飛ばし読みが直らない。2013 年8 月に行われた日本多読学会で「多読三原則」の見直しが話し合われ、教室における「新・多読三原則」が提唱されました。小誌でもいままでの「多読三原則」にかわって、「新・多読三原則」を取り入れました。なぜ、「多読三原則」の見直しが行われたのか、その背景、また、是非をめぐる議論において、前日本多読学会会長の高瀬敦子先生、元日本多読学会会長の西澤一先生、日本多読学会事務局長の古川昭夫先生の考えをお聞きしました。古川:部分的に飛ばすのはかまわないのですが、全体を飛ばして読んだら、内容も理解できず、英語力も伸びません。私はこれを「すべり読み」って言ってます。高瀬:そう、「すべり読み」。内容理解問題をやらせると半分もできない。授業で長い文章を読ませた後に、5分間くらいでサマリーを書かせたりしているんですが、「すべり読み」をする子は、全然書けない。「すべり読み」と「飛ばし読み」司会:「すべり読み」と「飛ばし読み」はどう使い分けているんでしょうか。古川:もともと多読三原則で飛ばし読みと言っていたのは、わからないところを飛ばして、わかるところをつなげて読みましょうという趣旨だったわけです。「すべり読み」っていうのは上すべりをしてしまうということです。表面上読んでいるふりになってしまっている。それで次の多読学会で話し合いましょうということになりました。 私の個人的な経験ですが、親が熱心で小学生のときに100万語以上読んだという旧・多読三原則① 辞書は引かない② わからないところは飛ばす③ つまらなければあとまわし新・多読三原則① 英語は英語のまま理解する② 7~9割の理解度で読む③ つまらなければあとまわし古川昭夫(SEG 多読教室主宰、SSS 英語多読研究会理事長)西澤 一(豊田高専教授)高瀬敦子(関西大学ほか非常勤講師)特別座談会*本記事は、『多聴多読マガジン』2013年12月号「特別記事 座談会『新・多読三原則』をめぐって」の一部を再構成の上、再録したものです。