多聴多読マガジン Vol.43 2014年4月号 試読

多聴多読マガジン Vol.43 2014年4月号 試読 page 51/54

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2014 APRIL 167リスニング、シャドーイングのためのなま素材【訳】Q: 日本の企業にも英語を職場の公用語として用いる企業が出てきています。そういった傾向については、どうお考えですか。MR: 職場での英語教育を標....

2014 APRIL 167リスニング、シャドーイングのためのなま素材【訳】Q: 日本の企業にも英語を職場の公用語として用いる企業が出てきています。そういった傾向については、どうお考えですか。MR: 職場での英語教育を標準化することについて私が懸念するのは、TOEFL やTOEIC といったようなもので高得点をめざそうとすると、ある種の幻想……そう、私はあえてそれを幻想と呼びますが……自分の(日本の)会社で英語がよく使われるようになったという誤ったイメージを持つようになるのです。私だったら、仕事の現場における会話術を高めることに重点を置くでしょうね。 なにかを標準化しようとすると、なんらかのリスクを、ひょっとしたら社員の忠誠心の点で伴うことになりかねません。世界標準としての英語をだれかれかまわず強制すると、その副作用として、何人かは脱落し、競合する他社で仕事をするほうが楽だと思ってしまうかもしれません。そうなると、優秀でありながら英語が得意でない人材を失ってしまうことになるでしょう。優秀な社員をライバル会社にどうぞと譲っているようなものです。それが1つのリスクですが、そのプラスの面もあります。優秀でありながらも英語(を社内でいつも使わなければならないこと)に我慢がならない社員が辞めても、そのあとに英語ができて、さらに辞めた社員と同等の能力を持つ人を採用すれば、基本的には会社のメタボリズム(新陳代謝)を促すことになるでしょう。これは、よい意味でのメタボリズムです。メタボリックシンドローム(代謝症候群)ではありません。その逆ですよ(笑)。ぜい肉をそぎ落として、アメリカで言われるように、無駄がなく競争力のある会社になるのです。●英語の特徴 発言中に次の言葉を選ぶときにできる一瞬の空白をつなぎ語(filler) で見事に埋める話し方が特徴的です。音声の空白がないように話さなければならないラジオDJ の経験から得た話し方かもしれません。一方、国名がたくさん出てくる世界情勢の話題になると、言いよどみがほとんどなくなり、言葉が次々に出てきています。世界へ向けて常に前向きに情報を発信し続けるロバートソンさんの意気込みが感じられます。耳に効くシャドーイングの方法(p.156-157)もご覧ください。■ L ■ M ■ 確認 ■ SR ■ PS ■ CSここに注目! 日本語訳:山口西夏?つなぎ語の入れ方“Um”、“uh”、 “you know” などつなぎ語(filler)の練習にうってつけの素材です。どのようなタイミングでfiller が入っているか意識しながら真似しましょう。?論点の順序「懸念していること」(reservations)や「リスク」(risk)の話の後で「プラスの面」(benefit)を挙げることによって、ポジティブなイメージが聞き手の印象に残るような順序で話しています。?決まり言葉最後の “lean and mean” のような決まり言葉は韻を踏んでいることが多く、人の印象に残りやすい表現です。“and” は短く弱形で発音します。【語注】reservation: 懸念、遠慮illusory: 幻想を起こさせるend up: 最後には~で終わるgive away: 失う、逸するrenew: 新たにする、取り戻すmetabolism: 新陳代謝、代謝作用lean and mean: やる気満々で、しゃかりきになって、モーリー・ロバートソン Morley Robertson日本で活動するジャーナリスト、作家、ミュージシャン。日米双方の教育を受けた後、1981 年に東京大学に現役合格。日本語で受験したアメリカ人としてはおそらく初めての合格者。東大に加えてハーバード大学、MIT、スタンフォード大学、UC バークレー、プリンストン大学、エール大学にも同時合格。1988 年ハーバード大学を卒業。現在はテレビ、ラジオ、講演会などで活躍中。http://officemorley.jp