ブックタイトルシャドーイング・音読と英語コミュニケーションの科学 試読

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概要

シャドーイング・音読と英語コミュニケーションの科学 試読

序章コミュニケーションは同時進行がいっぱい!:多重処理とは?0-1コミュニケーションの実態は?コミュニケーション(communication)ということばほど、英語などの外国語学習の目的として挙げられるものはありません。中学校や高等学校での英語学習では、文部科学省が定めている目標は、「言語や文化に対する理解を深め,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成」にあるとしています。また、2011年からスタートした小学校英語活動でも、「コミュニケーション能力の素地を養う」のが目標であると述べられています。1)しかしこのようなページを参照するまでもなく、多くの人が、コミュニケーションがとても重要であると考えています。「世界の色々な人と話をしたい。そして一緒に考えたり、仕事をしたりしたい」「今日のグローバル社会では、日本がアジア、欧米など他の国々とは別に、独自の道を歩むなんてことはできない」「現憲法では、紛争解決の手段として、武力の行使を放棄している以上、ことばによるコミュニケーションは必須だ」、などといった具合です。ここで本題に入る前に、みなさんは、このコミュニケーション(communication)ということばがもともとどのような意味なのかご存じでしょうか。一般には、言語学習との関連では、「意志の伝達」「情報伝達」とか、また理系では「通信」と訳されたりしますが、実はこれだけではこの単語の意味が十分に把握できているとは言えません。実際に“communicate”の意味を手元の辞書で引いてみます。例えば、Collins Cobuild Advanced Learner’s English Dictionary(『コリンズコウビルド学習英英辞典』)だと、“share or exchange information with them, forexample by speaking, writing, or using equipment”(話したり、書いたり、機器を使ったりして、情報を共有したり交換すること)だと記述しています。最大の英語辞書といわれるOxford English Dictionary(『オックスフォード英語辞典』)や、学習者用のOxford Advanced Learner’s Dictionary(『オックスフォード学習英英辞典』)を引くと、古代フランス語“comunete”や、ラテン語“communis”を語源に持つ単語で、“common”が原義だと記述してい1)中学校・高等学校の英語教育、さらには小学校の英語活動に関する学習指導要領については、http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/1356249.htmなど文科省のページからダウンロードできる。13