ブックタイトルシャドーイング・音読と英語コミュニケーションの科学 試読

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概要

シャドーイング・音読と英語コミュニケーションの科学 試読

序章コミュニケーションは同時進行がいっぱい!:多重処理とは?この短いやりとりにおいても、最低限に見積もって、次のような3つのプロセスがほぼ同時進行で生じています。(1)話し相手の発話を聞いてその意味を理解し、その上でその発話の意図を理解する。このためには、発話音声を知覚して、その上でその発話の意味をとらえることが必要です。同時に、文字通りの意味だけでなく、相手が実際には自分を誘っているという発話意図を理解する必要があります。(2)聞いて理解した発話の意味および意図をもとにどのように反応(返事)をするかについて考える。例えば、断る場合には、直接的に言うか、やや遠回しに間接的に言うか考えるなど、どのような反応をするとこの相手には適切であるかを思い巡らすことも含みます。これには、人によっては、あれこれと深く考えるような場合もあって、かなりの認知負荷がかかってしまう場合もあります。(3)発話すべき内容(メッセージ)が決まったら、それを言語化して、産出する。このとき、どのような単語(語彙)を使ってどのような構文(言い方)にするかといったことも瞬時に決定する必要があります。また、これを即座に速く言うか、ゆっくりと話すかによっても相手に与える印象は変わります。これは日本語での例ですが、英語でも基本は同じです。A: We have a party at my friend’s house next Saturday.B: Sorry, on that day I have plans to go out for dinner with my wife.以上お話しした、ことばの理解、思考、産出を含むコミュニケーション時の概要を示したものに、Leveltによる心的モデルがあります。その大枠を次に示します。15