ブックタイトルシャドーイング・音読と英語コミュニケーションの科学 試読

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概要

シャドーイング・音読と英語コミュニケーションの科学 試読

概念化装置定式化装置文解析装置調音装置音響・音声処理装置音声アウトプット音声インプット図0.1 Leveltによるコミュニケーションの心的モデル2)上記(1)の発話を聞いて理解する際には、聞こえてきた音声インプットをとらえて、どのような発音が含まれているかそれを知覚することが必要です。これは本モデルにおける音響・音声処理装置(acoustic-phonetic processor)を作動させることでできます。次に文の意味を理解する段階がきます。これも文解析装置(parser)を使って処理できます3)。要は、「パーティを開く予定であること」を了解することです。ただそれだけでは、2番目のBさんの発話は生まれません。「それに自分を誘っている」という相手の意図を理解する必要があります。上記の心的モデルでは、(2)の概念化装置で了解されます。概念化装置では、上記の意図理解だけでなく、誘いを受けるか断るか、どのような言い方をして断るかなども判断しています。これは母語での会話でもしばしばどのように言うか迷うところで、いつも自動的に即座に反応できるわけではありません。そうして発話内容が決まったら、それを言語化して音声アウトプットします。そのときにも、文法的・意味的に適切な文をまず頭の中でつくって(定式化装置[formulator])、その上でそれを調音装置(articulator)を活用して、正しい伝わる発音にして相手に向けて発します。以上のようなプロセスを私たちは、日常の何気ないコミュニケーションの中で絶えず実行しています。普段はこのようなコミュニケーションの中身についてまったく意識することはありません。しかし、上記のように、あきら162)Levelt(1993)をもとに簡略化して転載。3)これらのふたつの装置がリスニング時には活用されるが、詳細は本書第2章を参照。