ブックタイトルシャドーイング・音読と英語コミュニケーションの科学 試読

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概要

シャドーイング・音読と英語コミュニケーションの科学 試読

はじめに筆者は、先に『シャドーイングと音読の科学』(2007年)を刊行いたしました。シャドーイングおよび音読のトレーニングが、英語など第二言語の学習にどのような面で効果が期待できるか、主に認知心理学、神経科学などの関連分野の成果をもとに理論的に検討しました。その後、シャドーイング・音読は外国語の学習・教育のさまざまな場面で実践され、また実験研究も行われました。その結果、これらの学習法は、当初予測したリスニング・リーディング力の向上や学習項目の記憶・定着だけでなく、英語など外国語のスピーキングのトレーニングとしても優れていることが明らかになってきました。本書刊行のポイントは次の3つです。(1)普段何気なく行っているコミュニケーションが、実は複数の情報処理を同時進行で行う多重(三重)処理を特徴とすることを明らかにした上で、この多重処理能力を獲得するためのポイントを新たに序章において解説しました。(2)スピーキングなどのアウトプット能力の向上に、シャドーイング・音読がいかに役立つか検討した第6章を新設しました。またそれとの関連で、バイリンガリズム(二言語併用)に関する最新の知見をもとに、新たな視点から、認知的にチャレンジングな第二言語学習がもたらしてくれる効果について考察しました。(3)シャドーイング・音読がどのような学習法で、いかなる効果があるか明らかにした前著(2007)の内容を大幅にアップデート(増補改訂)しました。本書が対象とする読者は、前著と同様、次の2種類の方々です。(1)英語、その他の外国語をどうやって学んだら効果的かを真剣に求めている方。これには、もちろん外国語としての日本語学習者も入ります。(2)英語、日本語などの外国語を教えておられる先生方、あるいはいかにして教えたらよいかを研究されている方。これまでもさまざまな著書の中で、自身の学習状況をモニターするもうひとつの自分、「メタ認知」の重要性についてふれてきました。このメタ認知を育てるには、「シャドーイング・音読が何を目的にした、いかなる学習で、どのように英語、その他の外国語能力の習得に関係するか」について正確な知識が必要です。そうしないと誤った認識、誤った自己モニター(分析)に陥ってしまいます。誤ったメタ認2