ブックタイトルシャドーイング・音読と英語コミュニケーションの科学 試読

ページ
3/20

このページは シャドーイング・音読と英語コミュニケーションの科学 試読 の電子ブックに掲載されている3ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

シャドーイング・音読と英語コミュニケーションの科学 試読

知にもとづいた誤った自己モニターは、誤った学習目的の設定や学習方法の採用に至ります。私たちが使用できる時間は限られています。特に働きながら、英語など外国語の習得をめざす人にとって、合理的かつ効率のよい学習法を見つけ出すことは死活問題であると言えます。『学問に王道なし』とはかねてより言い古されたことばです。しかし、現在では『外国語学習の王道』に近似した『ほとんど王道といえる方法』は、かなりの程度わかってきています。これを利用しない手はありません。これが本書執筆の第一の目的です。もうひとつは、英語、その他の外国語の学習支援をする先生方です。学習者と同じくらいかそれ以上に、第二言語習得について正確なメタ認知を持って、学習者に明確に学習内容を提示されることが重要です。また、英語、その他の外国語の学習が、どのような仕組みから成り立っているかを探求する第二言語習得研究に従事している方にも当然ながら本書は役立つと思います。ただ、筆者が最も本書を読んで理解していただきたいのは、実は(1)の読者のみなさんです。先生方の指導は、クラス全体を対象にしたものです。最終的にどのような目的でどのように学習するかを決めるのは学習者自身です。いくら先生がこの方法がよいといっても、みなさんが納得しなければいい方法とは言えません。今日のグローバル社会に対応すべく、小学生からの早期英語学習など、日本の外国語学習も大きな転換期を迎えています。その中で、実践的なコミュニケーション能力、特にスピーキング力をつけることは、必須の要件です。大量のインプットを処理しつつ、それをアウトプットに結びつけるシャドーイング・音読のトレーニングが、このスピーキング力を養うのに不可欠なプラクティス(反復プライミング)を提供してくれます。本書が学習者の皆さんならびに先生方の今後の外国語学習へのメタ認知の形成や指導法の模索に役立つならば、筆者としてこれにまさる喜びはありません。グローバル社会を生きるコミュニケーション能力、アウトプット能力を身につけた方々が、今後飛躍的に増大することを夢見て……。2015年10月門田修平3