ブックタイトル多読的シャドーイング試し読み

ページ
4/12

このページは 多読的シャドーイング試し読み の電子ブックに掲載されている4ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

多読的シャドーイング試し読み

多読的シャドーイングとは?シャドーイングとは「聞こえてくる音声を、ほぼ同時にあるいは少し遅らせて、できるだけ正確にくり返すこと」*1とされています。影のようについていくイメージです。ただし、ついていくだけではなく、そこには「相手の言葉を理解しよう」という、つまり、相手という人間を理解しようという態度が大切だとも言われています(玉井健,『決定版英語シャドーイング』p.168、門田修平・玉井健共著、コスモピア、2004年)。また、シャドーイングは、リスニング力やスピーキング力の向上に大きな効果があるとも言われています*2。シャドーイングは、元々は通訳訓練法のひとつだったのですが、近年、この方法を応用したものが一般の英語教育にも取り入れられるようになってきました。かねてから通訳志望者ではない学生の英語教育に取り入れてきた筆者には、ある悩みがありました。練習した部分のシャドーイングは正確にできるようになっても、初見のものを読むと発音が元に戻ってしまうのです。どうしたものか悩んでいたところ、酒井邦秀先生(当時電気通信大学准教授)にある学生のビデオを見せていただきました。シャドーイングを実演した後、初見の英語の本をCDの音声なしで音読している映像でした。シャドーイングも上手でしたが、それよりも初見の英語の本の音読に衝撃を受けました。非常に達者で、発音、文の区切り方、イントネーションなどが自然な英語に近かったのです。[注釈]*1『はじめてのシャドーイング』(鳥飼玖美子他著、学研、2003年)より。シャドーイングは故斎藤美津子国際基督教大学名誉教授により、1970年代にはすでに同時通訳者の訓練法のひとつとして取り入れられていました。*2玉井健『リスニング力向上におけるシャドーイングの効果について』(日本通訳学会第3回年次大会講演、2002年、http://someya-net.com/10-JAIS/Kaishi2002/pdf/13F-tamai-lecture.pdf)、『決定版英語シャドーイング』(門田修平・玉井健共著、コスモピア、2004年)、『決定版英語シャドーイング超入門』(玉井健著、コスモピア、2008年)、『話せる!英語シャドーイング』(門田修平ほか著、コスモピア、2012年)などより。シャドーイング・音読の詳細な理論については『シャドーイングと音読の科学』(門田修平著、コスモピア、2007年)と、同著者による『シャドーイング・音読と英語習得の科学へ』(コスモピア、2012年)を参照してください。12