中国語学習ガイドブック

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11わかりません。ただ、発音・語彙・文法・発話、あるいは、読み・書き・話し・聞き、といったことの区分や順番にこだわらずに、常に一体のものとして意識しないとうまくいかないと思います。 発音・語彙・文法・発....

11わかりません。ただ、発音・語彙・文法・発話、あるいは、読み・書き・話し・聞き、といったことの区分や順番にこだわらずに、常に一体のものとして意識しないとうまくいかないと思います。 発音・語彙・文法・発話等についてはそれぞれのレベルでそれぞれのものが同時に要求されます。 強いて言うなら、私は発話、スピーキングの練習を何よりも行うべきだと考えています。もちろん自由に会話するということではなく、最初はもっぱらリピートすることから始めるという意味においてですが。逆に言えば他の技能は自動的についてきますよ。楊  西井先生とは若干異なりますが、私の授業では、学生に対しては、リスニング中心にやらせることを心がけています。聞くだけでどこまでやれるかは、まだはっきりと証明されたわけではありませんが、私は「一聴四得」と言っています。「四得」とは「聞く、話す、読む、書く」ですね。聞いているうちに話せるようになる。 これは自分の経験からきているんです。水をコップの中に入れるのと同じで、水をなみなみとコップの中に入れていくと、水はこぼれだしてくる。このようにインプットを十分にしたとき、あふれ出してくるのがアウトプットなんです。実は私は日本語は「勉強」したことがないんですよ。私が日本に来たのは1974 年、子どものころ無理矢理日本人の中に入れられて、あれやこれややっているうちに、ある日突然聞き取れるようになったんです。私が聞くことを重要視するのは、この自分自身の体験がもとになっている。陳  ただ、それには臨界期*(12 ~ 14 歳)の問題がありませんか? 成人学習者に、赤ちゃんや子どもの習得法が適応するかどうか、私は少し疑問に思いますが、いかがでしょう?楊  ちょうど当時の私は13 歳でしたので、ぎりぎりのときでした。ただし、臨界期時の説についても最近脳科学からの研究があり、まだすべてが明らかにはされていないようですね。14 歳ぐらいから言語の文化的な背景が形成されて、それによって、潜在意識の中で対象言語の文化に対する抵抗感が生まれ、それが外国語学習の障害になるという研究もあるようです。胡  聞いた音をどのように再現するか、聞いた音を脳の引き出しの中に入れて、そこからどうすれば素早く取り出すことができるようになるかという試みをしています。僕自身は表現を映像として覚えるほうなので“我去学校”と言う場合、実際に自分が通う学校をイメージしながら言語と意味とを結び付けて覚えるよう学生にも指導しています。ピンインでもなく、漢字でもなく、映像、つまり意味内容を、です。 現実の生活においては、誰しも具体的な内容を言葉に置き換えて発話していますね。伝達内容があって、それを表現する言葉がある。連動文とか○○構文とかを気にしないで、イメージしたことを中国語でどう言うか、という練習を初級の段階でやっておけば、割と早く言葉が出てくるようになるんです。聞いた言葉をイメージ化したり、イメージをすぐ言葉にする*臨界期:これ以降、自然な言語能力の習得が不可能になるといわれる年齢Part 1入門から中級まで効果的な中国語学習の進め方座談会