中国語学習ガイドブック

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語彙力コア・イメージをつかんで伸ばそう! 中国語の語彙力42 イメージを通して語感を磨く---“ 把” のコアイメージを例に 外国語の語彙力を増強するうえで一番大切なポイントは語感をつかむことです。読んで字の....

語彙力コア・イメージをつかんで伸ばそう! 中国語の語彙力42 イメージを通して語感を磨く---“ 把” のコアイメージを例に 外国語の語彙力を増強するうえで一番大切なポイントは語感をつかむことです。読んで字のごとく、語感とは語句にそなわった感性的なイメージのことです。そのイメージを母語話者のように感じ取れるかどうかが運命の分かれ道、外国語学習の道がバラ色の楽園へつながるか、はたまた暗く険しい道のりとなるかが決まる……と言っても過言ではありません。 たとえば、実例をひとつ挙げてみましょう。私たちが中国語の発音を学び、基礎段階を無事に終えて初級に入ると“ 把b?” という常用語を学びます。教科書や先生の教え方によって前後の違いはあるかもしれませんが、まず“ 把” はモノの数量を数えるときの量詞(文法用語では「名量詞」と言います。たとえば“ 一把雨?”「一本の雨傘」、“ 一把椅子”「一脚のイス」)としてあらわれ、少し勉強が進むと今度は同じ量詞でも動作の回数を数える「動量詞」としての用法(たとえば“ 拉一把”「グッと引っ張る」、“ 一把抓住”「ギュッと握る」)があらわれます。さらに勉強が進むと、いよいよ“ 把” 構文と呼ばれる特殊な文型(たとえば、“ 武松把老虎打死了”「武松は虎を殴り殺した」)を学びます。これまで同じ姿かたちをした“ 把” でも、ここでの“ 把” は英文法で言うところの前置詞によく似た働きをする「介詞」に属します。この“ 把” 構文がちゃんとマスターできれば、もう中級レベルに達したと胸を張ってもけっこうです。 こうして中国語も中級までくれば、“ 把” の字を含んだ“ 把手”「取っ手」や“ ?把儿”「ドアノブ」のような名詞にも出会うはず。そして、もっとレベルが上がって書面語、特に中国文学の古典作品を読んだりするようになると、とうとう動詞の“ 把”に出会うことになります(たとえば“ 把脉”「脈をとる」、“ 明月幾時有,把酒問青天”「明月幾時よりか有る、酒をとりて青天に問ふ」宋代の詩人蘇軾の名句より)。ここまできてしまうと、最初に出会った量詞の“ 把” と最後に出会う動詞の“ 把” とでは、もともと同じ単語であるという意識さえも薄れてしまいがちです。 このように勉強が進み、中国語のレベルが上がるにしたがって、“ 把” は同じ姿かたちのままでありながら、次々と新たな用法を身に装い、それぞれ違う品詞の単語として私たち学習者の前にあらわれてきます。45量詞“一把雨?”“拉一把”“一把抓住”介詞“武松把老虎打死了”名詞“把手”“?把儿”動詞“把脉”“把酒?青天”Part 2