多聴多読マガジン2014年02月号 試読

多聴多読マガジン2014年02月号 試読 page 27/44

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Track 06 2014 FEBRUARY 57Written by Natsume S?sekiAdaptation by Alastair LamonIllustrated by Toni DemuroYoung Adult ELi Readers Light A1c 2013 ELI s.r.l. 『坊っちゃん』は明治の文豪、夏目漱石の著作の....

Track 06 2014 FEBRUARY 57Written by Natsume S?sekiAdaptation by Alastair LamonIllustrated by Toni DemuroYoung Adult ELi Readers Light A1c 2013 ELI s.r.l. 『坊っちゃん』は明治の文豪、夏目漱石の著作の中でも人気の高い作品です。原作の歯切れの良さを損なうことなく、テンポの良い英語で、主人公の生い立ちと松山での教師経験が語られます。そこで出会った教師たちに、Badger( 狸)、RedShirt(赤シャツ)、Squash(うらなり)、Porcupine(山嵐)、Clown(野だいこ)などのあだ名を付けますが、見かけばかりでなく性格までもとらえており、ユーモラスで巧みな命名です。 自分に正直で曲がったことが嫌いな主人公は、赤シャツのずるさが許せず、山嵐とともに実力行使に出て、結局、教師も辞めることになります。主人公はまっすぐに気持ちのまま行動するので世の中とは折り合えないのです。 両親に愛されることなく育ち、兄とも気の合わない主人公をただ一人愛し、何かと世話を焼き、“You are a good boy,Botchan.” と主人公を励まし続けるのが女中の清です。清は松山に赴任する主人公を駅に送りに行き、汽車が出たあともずっと見送り続けます。孤独で不器用な主人公を見守る清の無償の愛を感じる場面です。 『坊っちゃん』はイタリアの出版社によるYoung Adult ELi Readers というGraded Readers の1 冊で、やさしい英語の注などもあり、読みやすいです。音声もゆっくりめなので、漱石の名作を英語の朗読で楽しむという贅沢も味わえます。(黛道子/順天堂大学准教授)Track 06▼07読みやすさレベル(YL) 総語数リスニングレベル(LL) wpm1.8-2.0 2253 語1.2 約112語#03 Botchan