2014年12月号試し読み用ver2

2014年12月号試し読み用ver2 page 6/36

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概要:
10 2014 DECEMBER文・中西のりこ(神戸学院大学経営学部准教授)今回は、アメリカ英語とイギリス英語の両方を取り上げ、徹底比較するリスニング特集です。両者の発音の違いや聞き取りのコツを探ります。この章ではま....

10 2014 DECEMBER文・中西のりこ(神戸学院大学経営学部准教授)今回は、アメリカ英語とイギリス英語の両方を取り上げ、徹底比較するリスニング特集です。両者の発音の違いや聞き取りのコツを探ります。この章ではまず英米の特徴的な発音のちがいについて、解説します。今まで日本で英語を教えてきて、「イギリス発音とアメリカ発音、どっちを勉強したらよいですか?」という質問を受けることが何度もありました。この質問に出くわす度に、私の頭の中では色々な疑問がグルグルと回って、結局は「お好きなほうをどうぞ」とか「両方!」とか、よく分からない答え方をしてきました。そこでこの機会に、疑問をちょっと整理して、大きくふたつにまとめてみます。まず、頭にパッと浮かぶのは「イギリス英語orアメリカ英語の二択ですか?」という疑問です。World Englishesのような複数形の表現が示す通り、最近では「英語は母語話者だけが話す言葉ではない」という考え方が定着してきています。アジアでもアフリカでも、コミュニケーションの手段として、それぞれの地域色が反映された英語が使われるケースが多く見られます。しかも、イギリスの中でも地域や話者の階級によって発音の特徴は大きく異なり、「伝統的な標準発音」とされるReceived Pronunciation(容認英語、RP)で話す人はイギリス人口の数%に過ぎないと言われています。同様にアメリカでもGeneral American(一般アメリカ語、GA)が標準発音とされていますが、例えばニューヨークや南部地域には特徴的な話し方がありますし、ハワイではまた違った英語が話されています。つまり、イギリス英語(RP)・アメリカ英語(GA)を母語として話す人は、世界的には限られた少数派です。しかし、母語話者の数としては少数派でも、例えばインド英語やナイジェリア英語を理解できる人の数よりも、RPやGAを理解できる人の数が世界的に見ると多いので、結局、どの地域で英語を使うかを限定していない人にとっては、RP かGA のどちらかを身につけるのが賢明、というところでしょうか。世界の英語は2種類だけではない、けれど……英米の発音のちがいとは?Chapter 1