シャドーイング・音読でマスターする中国語会話-初級編-試し読み出力

シャドーイング・音読でマスターする中国語会話-初級編-試し読み出力 page 12/26

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144 シャドーイングの効用 シャドーイングの一番の効用は、リスニング力が伸びることです。リスニングには「知覚(perception)」と「理解(comprehension)」のふたつの段階があるといわれています。「知覚」は音....

144 シャドーイングの効用 シャドーイングの一番の効用は、リスニング力が伸びることです。リスニングには「知覚(perception)」と「理解(comprehension)」のふたつの段階があるといわれています。「知覚」は音声を言語処理システムにインプットする段階、「理解」は文の意味を総合的に理解する段階です。 「知覚」する音声には、発音、強勢(ストレス)、抑揚、リズム、ポーズなど話し言葉が持つ各種の音声(音韻)要素が含まれていますが、これを総称して「プロソディ(prosody)」といいます。この「プロソディ」は、「理解」を助ける要素であり、コミュニケーションの中核的役割を担うものです。 したがって、音声処理としてのシャドーイング(音だけをトレースしていくのみの訓練)においては、リスニングの前段階でもある「知覚」と「プロソディ」の機能を刺激し高めることにより、ひいては「理解」につながるという構造になります。 つまり、語彙や文法意識の強化を期待するのではなく、音声面での技能を強化することになるわけです。集中的に行うと、復唱力や音にするスピード(=構音力)といった非知識的技能の強化に効果が顕著なことから、リスニングの技能強化が可能になります。当然のことながら、「理解」にまで至るには、同時に知識面の強化をしなければなりません。 シャドーイングは、耳で聞いた音をそのまま声に出して繰り返しますから、リスニングと同時にスピーキングもしているわけです。その意味では発音の練習も同時にしていることになります。もっと言えば、上述の発音、強勢(ストレス)、抑揚、リズム、ポーズなど話し言葉に含まれる各種の音声要素(=プロソディ)を身につけることで、ネイティブに近い発音に矯正していくことが可能になります。もちろんこの作業の影には「メタ認知システム(metacognitive system)」による「モニタリング(monitoring)」リスニング 音声の知覚 ―(知識面=語彙・文法・表現など)→ 理解↑発音・強勢・抑揚・リズム・ポーズ(プロソディ=音声要素→理解を助ける)